みんな自分の時間を楽しんでいる

居酒屋吉次郎@東千石町, 鹿児島市

喫茶店とかカフェみたいな造りだけど自らを「居酒屋」だと認めている。入り口両側の棚にはCD、レコードがびっしり。アップライトのピアノと感じのいい音楽が迎えてくれる。JAZZがほとんどだけど月1くらいでライブもやっている。店全体の雰囲気としてはウッディでナチュラルな感じ。だけど自然派(この場合人にナチュラルを押し付けるような嫌な感じを含んだ)などという感じでもない。鹿児島ではいまどき珍しいカルチャーを感じる店だ。

あかねちゃんと吉次郎さん

矢羽多吉次郎っておじさんとあかねちゃんというおねえさんがふたりでやっているのだが、このふたりの感じがまた自然なのだ。僕なんかは過剰にかまわれるのが好きではないので、半ば放置するような接客が逆に落ち着けてけっこう気に入っている。
居酒屋らしくない居酒屋なんだけど、けっこう肴が美味いし酒も美味い。あかねちゃんが料理上手くって、何食っても美味い。ひとりで料理しているので、忙しくなるとちょっと大変だなあと同情しながら肴待ちの間に酒が進む。「ちょっと時間かかるよ」と吉次郎さんはつっけんどんに言うが、困った表情をする客はいない。

酒は一の蔵、つき出しは山椒の醤油漬けがのった冷奴

なんといっても日本酒がね、種類は多くないけど安くで飲める。この間も一の蔵が1合600円だったし、最近は僕の大好物山形の大山十水(800円)を入れてくれててね、これがいいんです。純米酒は正1合600円から。もちろん焼酎もいい。銘柄は多くないけど、鹿児島の普通のおじさんが普通に晩酌する銘柄を置いている。ビールは生ビールも瓶ビールもハートランド。

生ビールも瓶ビールもハートランド

肴はおすすめがカウンター上のホワイトボードに。何でもあるよという感じだ。個人的にはつき出しが気に入っている。夏場は冷奴が多いがあかねちゃんお手製の山椒の醤油漬けが乗っていたりで、それだけで1合はいける。刺身はその日入った新鮮な魚を。焼き物、揚げ物、炒め物、煮物と何を食べても美味い。梅干しにらっきょなんてのもね。運がよければあるとき限定夜の定食(1600円)などと言うのももある(只今提供停止中)。おかずつつきながら飲むっていうのもいいね。

鯛、ホタテ、鰯、刺身の盛り合わせ

美味い肴に舌鼓を打ちながら、吉次郎さんと音楽や映画、本の話に興じる。音楽はジャズはもちろんフォーク、ロック、クラシック、それに歌謡曲までジャンルはひろい。興がのってピアノの演奏を披露する客もいる。だが決して人の話に割り込んだり、大きな声で騒ぐ鹿児島的ポンコツオヤジに出会したことはない。みんな自分の時間を楽しんでいるという感じだ。ふらっと訪れて、ジャズピアノの巨匠渋谷毅さんがタバコ片手に碁を打っている姿に出くわしたこともあった。実に渋い酒場だ。

キビナゴのフライ

野菜と鶏の煮物

串カツ

値段は確認してね

清水の種子島の写真を掛けてくれている

居酒屋吉次郎
鹿児島市東千石町 8-29 南国タクシービル2階
18:30〜
定休日 火曜日、水曜日

TEL:099-223-6272

営業時間・値段・ライブのスケジュール等は電話でご確認ください

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