
種子島南種子町。島間港に積み上げられたスクラップの山は、かつて日本中の夢を宙に届けるための建造物だった。その当時れっきとした名前を持った建造物だった。

「大崎射場吉信第1射点」

わかりやすく言えばロケットの発射台だ。ロケットが大型に更新されて用がすみ、解体され、新しいものに建て替えられた。処分の時を待ち長く港の空き地に放置されていた。スクラップ&ビルド。最先端はどんどん更新される。同時に次から次へとスクラップを生み出していく。
人はどうだろう……。用がすみ、メインの舞台から降りたとき、同じようにスクラップだと見なされ、処分の時を待つのみなのだろうか。
