Candy is dandy but liquor is quicker

池田バー@天文館, 鹿児島市山之口町

およそバーというものは……、と考えてみる。私の中にひとつの言葉が浮かぶ。「普遍」だ。時代が変わり、場所が変わり、人が変わっても、そこに流れる時間は変わらない。そこには人生を豊かにするための酒があり、出会いがあり、会話がある。そしていくつもの物語が生まれて消えて、また生まれる。物語の主人公は他の誰でもない。まぎれもなく「私」なのだ。あなたもそのひとり、私もそのひとり。バーはその物語の舞台なのだ。

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背中を向けてすんまへん いつでも呼んでや〜

酒房まつい 京橋本店@京橋駅前,大阪市城東区

JA大阪環状線京橋駅北口を東に出ると目の前が立ち呑みまついだ。駅構内かと錯覚をしてしまう。電飾看板に惹かれてか店全体が黄色に染まる。看板には1階が立ち呑みまつい、2階が松井とある。まとめて酒房まつい 京橋本店ということだ。
元気だ。ひと言で言うならそれに尽きる。店員も客も元気なのだ。いや、このまちすべてが元気なのかもしれない。ひとりで黙々と飲む客。楽しく会話しながら飲む女子ふたり。わいわいとにぎやかな数人のグループ。そしてカウンターの中で忙しく立ち働く若い店員たち。醸しだされる一体感は昨日や今日できたものではない。聞けば昭和27年創業というから60年以上の歴史を刻んできたことになる。なるほどと頷く。

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最高の笑顔、最強の居酒屋

居酒屋とよ@京橋, 大阪市城東区

環状線京橋駅から薄暗いガードを潜り、歩いて2分ほど。墓地を見下ろす道路の上にその店、京橋居酒屋とよはある。いわゆる店舗ではない。屋台でもない。厨房こそしっかりとした屋根と日除けのテントに守られているが、客が飲み食いをする場所は頼りなげな波板屋根に覆われているだけだ。露店といってもいいだろう。もちろん椅子などはない。そんな店に長蛇の列ができるのだと聞いて、面白半分で出かけた。まぐろの刺身やホホ肉のあぶり、うに、いくらなどがとびきり美味いそうだ。「最強の居酒屋」だと呼び声も。

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