まだ何もやれてないなあ—写真展迫る

1日かけて大きな作品の額装を終えた。
じっくり見直しながら、全部で70点。撮った場所、状況などほぼ完璧に覚えている。今回いちばん古いもので2009年3月9日の撮影、新しいものは2017年9月16日の撮影だった。8年半の蓄積だ。作品として選ぶところから、プリントして額装するまで、その8年半の時間を見返すことになった。それぞれのbluesたちの行く末、その場所の変貌、人々の暮らしぶりの変化、さらに自分の日常等々、実に多くのことがあった。自分のことで言うと、父が亡くなり、鹿児島に移って20年が過ぎ、還暦を過ぎ……。そうして思ったことは、ああ、まだ何もやれてないなあ、ということかな。なんとなく中途半端な生き方をしてきた自分の足跡を突きつけられたというか、なんというか……。きっとこういうことを悪あがきのように続けながら、これからも生きていくのだろうなあということかな。

「人生の結末なんか自分ではわからんわい。ああでもないこうでもないと揺れながら歩いていくんやがな」

最後の日々を病院のベッドで過ごしながらそんなことを呟いていた父を思い出した。

小さな作品は四切でちょうど100点。blues たちが生きている環境を連想するような展示を考えている。もともとダンボールでフレームをつくる……、みたいなことを考えていたのだけど、ギャラリーのスペースを考えて1点でも多く見てもらいたいと思い、いろいろ工夫をしてダンボールフレームは断念した。大小合わせて全170点、どんな空間になるのか楽しみだ。が、その前に、27日1日で搬入の予定だけど、ちょっと大変な作業になりそうだな。それがまた楽しいのだろうけどね。
ひとつはっきりしているのは、ぼくの撮っているblues、野猫たちは、愛玩されるべき可愛らしい存在ではなく、まち、地域の一生活者として必死に命を繋ごうとしている緊張感、悲壮感に裏付けられた存在だ。決して可愛らしい姿が並んでいるわけではない。

「殺す力」ではなく「考える力」で

写真展まで20日を切った。けっこうケツのあたりが焦げ臭いことになってきた。だけど、やる!と言い切ったからにはやる!のである。後戻りはできないのだ。

作業をしながらずっと考えていたのは、「いま猫の写真展をやることの意味」だ。今回の写真展の話をすると、たいていの人は「猫ブームだからね」とか「岩合さん人気だからね」というようなことを言う。つまりブームに乗っかって有名人のマネをするんだろうということだな。

残念ながら、ぼくの撮っている猫たちは、ほとんどがの猫で、まったくと言っていいほど可愛くないのだ。ふてぶてしかったり、そっぽを向いたりしているのだ。しかもモノクロだから、ぱっと見、暗い。非常に暗いのだ……。昨夜も紙焼きを並べて、ぼくは一体何を見せようとしているのだろうと考え込んでしまった。

だがひとつだけ言えることがある。ぼくは可愛いという視点で猫を見ているのではないということだ。猫を見るときも、人間を見るときも、まったく同じ目で見ているぼくがいるのだ。あたりまえのことだ、猫と人間は違う環境を生きているのではない。同じ環境を生きているのだ。

猫を見て「可愛い」と思うのは、人間の傲りでしかない。「可愛い」と思うのは、可愛がるべき対象だということだ。「猫の魅力」などと言うけれど、「人の魅力」に気づかずに、いじめや対立ばかりしている人間に、「猫の魅力」を云々するまともな目などありはしないのだ。

実際、人間はあれほど「猫は可愛い」「魅力的だ」と言っておきながら、他方で邪魔にし、殺す。種子島西之表港では十数匹の猫たちが薬殺されたし、奄美では世界自然遺産への登録と引き換えに多くの猫を殺処分することが検討されているそうだ。

結局地球上でいちばん獰猛で残酷な生き物は「人間」なのだ。今回の写真展、猫を撮った写真を並べるのだが、それは人間自身の姿でもあるのだ。そのことを考えてもらうきっかけになればいい。

人間が生き物の頂点に在るのは、「殺す力」ではなく「考える力」によってだと思う。殺さずに、考えよう。

まだやってる!? 「ニュースな酒場」

清水哲男の「ニュースな酒場」、とうとう5回目の放送となりました。ここだけの話だけど、局内でも賛否両論あるらしいです。だって、誰が見たって、「これ、ニュース枠でやる?」という内容ですからね。最初はこれでいいのかって思いながらやってましたけど、慣れっていうのは恐ろしいもので、いいやって……。ということで、少なくとももう1回はありそうです。

ところで、俳句を詠む映像が出てきますが、なんだかひどい句ですね。コオロギと甲子園、秋の季語と夏の季語を並べたんですね。燃え上がる夏の陰に忍び寄るように秋が……。3年生にとっては、勝っても負けても最後の夏。そんな寂しさを詠んだつもりでしたが、空振りでした。恥ずかしい。

9月に写真展、ほんとうにやるようです。


9月に写真展、ほんとうにやるようです。
またまた忙しい残暑になりそうです。
詳細は決まり次第ご案内いたします。
以下はBOSS清水のつぶやきです。

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2年前の投稿だ。この直後にミューちゃんは逝った。
9月の写真展には彼の凛々しい姿も見てもらおうと思う。

ミューちゃんは雄だ。が、昔の飼い主に去勢されたそうだ。タマタマを取られたのだ。とんでもなく好戦的で、他の猫の気配がすると飛んでいき、闘う。その姿勢には“男”を感じるのだが、その実闘いにはどうしようもなく弱いのだ。四六時中傷だらけ、泥だらけ。その傷も半端じゃなく、引っ搔き傷どころか、肉がえぐり取られていたこともまれではない。
ミューちゃんは雄だ。孤高の雄だ。人間には馴染まない。相手が誰であれ、“ふーっ”と威嚇する。目の前で腹を見せてゴロゴロしていても、“ふーっ”と威嚇する。雨が降ろうが雪が降ろうが、人に媚びず“独立”を守り通している。誰かに蚤取りの首輪をつけられたようだが、“独立”を守り通している。
ミューちゃんは雄だ。喧嘩早くて、独りぼっちで、やせ我慢で、汚くて、傷ついて、弱っちくって、ボロボロの、雄だ。ぼくはそんな姿に生きていく“力”と“意地”を感じる。憧れてさえいるのだ。
ミューちゃんは、どんくさいけど、ぼくのヒーローなんだ。

「清水哲男のニュースな酒場」vol.4は、7月27日(木)

【お知らせ】
KTSみんなのニュース「清水哲男のニュースな酒場」vol.4は、7月27日(木)18:30前後の放送予定です。
今回は鉄板焼き居酒屋「逹(たつ)」さんの鉄板の前からの放送です。どうぞお楽しみに。おっとっと、鹿児島ローカルですw

「それは残念やなあ」ってw

KTSみんなのニュース「清水哲男のニュースな酒場」3回目を迎えました。2回目までは女性キャスターが相手でしたが、今回は男性キャスターに。清水のテンションも少々下がり気味。こうなったら飲むしかないって感じです。で、ほんとに飲みまくってます。これって夕方のニュース枠で流していいんでしょうかねw

「羅漢  The street rakan」

秋に予定している写真展のタイトルをほぼ固めた。
これまでずっと撮り続けてきた blues、そう野良猫たちの肖像だ。すべてを超越したかのような彼らを、ぼくは表向き「blues」と呼び、内心では「羅漢」と崇めていた部分もあった。他の人の目にはどう映るかを知りたい、と思ったのがこの写真展をやろうと決めたいちばんの動機だ。

「羅漢  The street rakan」

フレームはどうするか……。そう考えた時、彼らの住環境に近い状況で見られるようにするのがいいかなっと思った。で、事務所は今あちこちで拾ってきたダンボールであふれている。

靴の空き箱でつくった厨子。釈迦三尊像に見立てる。
中央は釈迦如来、右に文殊菩薩、左に普賢菩薩…….
折り畳んで持ち運び可w

ダンボールでフレームを試作。箱の底に張り付いた親子。

ということで、散々な週末です。

いや、まいった。
夜中に激しく咳き込んだ。年なんだろうなあ、最近咳き込むことが多い。こういう場合、胸を張って、そっくり返って咳き込むということはまずない。前かがになって、腹筋に力を入れて……。
咳き込んですぐだった。腰のあたりに妙な感覚が走った。痛みではない、なんとなく上半身がズレるような。しまった!と思ったが遅かった。ぼくのからだはそのまま固まってしまった。しばらくそのままの体勢を保ち、息を整うのを待ち、ゆっくりからだを伸ばして見た。やはり……。腰に激痛が走った。ああ、ぎっくり腰だ(汗
なんだかんだと予定がつまり、痛みが取れるまでゆっくり養生しているなどという場合ではない。朝一番にタクシーを呼び整形外科へ。しかし……。
「太りすぎですね、仕方がない、痛み止めと湿布を出しておきますから、しばらく様子を見ましょう」
あのなあ、俺は忙しっつーの、だから病院にきたんだよ! 心の中で絶叫するも、「太りすぎです」という殺し文句にぐうの音も出ない。
ということで、散々な週末です。

少々不安ではある……。

見渡せばはなももみぢもなかりけり浦のとまやの秋のゆふぐれ

これは新古今和歌集に収められた藤原定家の有名な歌だ。ここから店名をつけた「とまや」という小料理屋がある。店主の大脇孝一郎さんは料理の修業をしてきたというから小料理屋と言っていいだろう。彼は種子島の出身なので、かどうかはわからないが、うまい魚を食わせてくれる。昨夜もトッピー(トビウオ)の一夜干しをさっと炙って出してくれた。鹿児島のど真ん中にありながら、日本酒をうまく飲ませてくれる数少ない店のひとつだ。そういうことをよく知っている常連客で賑わう侮れない店だ。

5月の「ニュースな居酒屋」はここで収録をする。放送は25日(木)の18時30分前後だ。話よりも酒に傾きそうな気がして、少々不安ではある……。